退職お父さんだよ。
引き続き
を読んでの感想ブログ記事だよ。前回の記事では株式市場がなぜ勝者のゲームでは無くなってしまったのかを説明した。ここで勝者の戦略とは、銘柄を選別しタイミングを計って売り買いすることだ。そのとき、
- 市場が機関投資家ばかりになり、市場平均が「機関投資家の売買結果」の平均になった。
- そのため、市場平均に勝つためには他の機関投資家に勝たなければならないが、勝者の戦略ではそれは非常に困難。
- 売買にコストがかかるためそれを差し引くと市場平均を平均的には下回る。
- 新しい銘柄や新しいタイミング戦略を作っても他社に真似される。
というわけで勝者の戦略を続けても継続して市場平均に勝ち続けるのは非常に難しいんだ。勝者の戦略を続けるアクティブファンドはこれらの困難に直面していると言える。
勝者の戦略を実施しようとすると多くの自失(自分の失敗)をしてしまう。銘柄選定やタイミングの失敗、売買頻度によるコスト増加、秘密の戦略がバレる、などだ。これらの自失を減らし、市場平均程度の成績をあげ続ける方法がある。それは市場平均を買い続けることだよ。つまり、
インデックスファンドを購入し売らない
インデックスとして市場平均(S&P 500など)を採用しているファンドを選べば、市場平均並の成績をあげられることは自明だよね。銘柄選定も不要だしタイミングを図る必要もない。ファンドとしても運用コストを低く保つことができるので、ファンド購入者のコストも低くなる。この戦略は秘密にしても意味がないし真似されても自分の成果に影響はない。このようにひたらすら自失を減らして平均を求める、これこそがまさに株式市場における敗者の取るべき戦略だよ。
この戦略について少しだけ解説を加えてみる。
まず「購入」の額は余裕のある資金を投入すれば良い。一括でも良いし積み立てでも構わない。
「売らない」は正確には、「インデックスが下がりそうだから売る/下がったから売る」のような行為はしない、ということだよ。もちろんやってもいいけどプロを相手にアクティブ売買するわけだから成績は下がる可能性が高いよ。それと大切なことだが「お金が必要になったら一部/全部売る」は別に構わないよ。投資はお金で困らないためにすることだからね。
この敗者の投資戦略を実施すると、以下のことも自然と行われることになる。
- 分散投資(ほとんどのインデックスは非常に多くの銘柄の平均を追うため必然的に多くの銘柄を買っている)
- 稲妻の輝く瞬間(大きく市場が伸びるタイミング)に市場に参加していること(売らないので肝心な時にも市場にいられる)
- 投資に時間を使わず他のことに時間を使えること(自分の勉強、本業、ボランティア、旅行、スポーツ、音楽、人に教えること、、、)
以前紹介した
という本の「長期・分散・低コスト」という3原則を紹介したが、それが全て盛り込まれていることがわかる。
最後に一言、ものすごく厳密に言えばファンド側の売買(インデックスに追従する売買)にはコストがかかるので市場平均をその分下回るね。これが世にいう「信託報酬」だ。もっとも多くのインデックスファンドの信託報酬は非常に低く投資額の0.1%程度だよ。
そもそも個人投資家は機関投資家ではないので市場平均を多少下回っていても全然気にすることはない。それで十分な成績だ。一方、機関投資家は市場平均を上回らないと価値がないからねえ、、、
注意書き: このブログは投資や特定の銘柄を推奨することはしていないからね。何にいつどのように投資するのか(投資判断というやつだね)はご自身の判断で決めて自己責任でやってね。退職お父さんは投資1年目の素人であって登録された金融商品取引業者などではないよ。