退職お父さんのお金の話 ➖ 投資・FP・趣味について呟きます ➖

2023年に定年退職し現在再雇用中のお父さんの投資のこと、お金のこと、趣味のこと

現代の株式市場は敗者のゲーム

退職お父さんだよ。

 

敗者のゲーム[原著第8版] (日本経済新聞出版)」面白いよね。前回の記事で以前は勝者のゲームだった株式市場が現在は敗者のゲームになったことを述べたよ。今回はこの意味となぜそうなったのかを退職お父さんの理解で語ってみたい。

 

 

前回も述べたように株式市場のプレーヤーが9割個人投資家、1割機関投資家だった時代には機関投資家が勝者のゲームを行う(公表されていない情報などさまざまな情報に基づいて銘柄と売り買いのタイミングを決めて実行する)と儲けることができた良き時代があった。その時代には機関投資家市場平均を大きく上回る利益を叩き出していたはずだよ。この場合、市場平均は9割の個人投資家の売買成果が形成していたからね。その結果、機関投資家は儲かる仕事なので優秀な人がどんどん参入ファンドマネージャーとして活躍した。「敗者のゲーム」の元となった論文の登場時期を考えればそんな良き時代は1970年頃までは続いていたかもしれない(ここで市場平均とはダウ平均やS&P500を指すと思ってくれれば良いね)。

 

そして現代、優秀な人がどんどん参入した結果、気がつくと市場の参加者の割合が大きく変化して、1割の個人投資家と9割の機関投資家になってしまった。これは市場平均にとって何を意味するか考えてみてほしい。9割のとびきり優秀な機関投資家が市場平均を形成しているはずだよね。つまり市場平均とは9割の機関投資家の成績の総和のことなんだよ。ここまで来ると市場平均を上回る成績を出すことは機関投資家であってもとても難しい。なぜなら他のプロを出し抜かなくてはならないからだよ。さらに情報公開の公平原則もある。結局機関投資家の成績が市場平均を中心として上下に分布することになるはずだ。(言わずもながだけどプロを真似ようとする個人投資家の成績はそのずっと下の方に分布しているはずだよね、、、悲しい)。

 

ところで機関投資家の成績が市場平均を中心として上下に分布すると言ったけど、実際には最終的な成績で見ると市場平均を上回る方が少ないはずだ。「最終的な成績」とは売買にかかるコストまで含めた成績を意味する。要は売買の都度かかる手数料、利益が実現するたびにかかる税金などだ。さまざまな情報に基づいて個別銘柄を頻繁に売り買いすればするほどこのコストが掛かってくる。そしてこのコストが大きくなるような売買をすると、一見市場平均を超えた成績に見えても実際にはコストを引くと市場平均を下回ってしまう。

 

この売買方法は勝者のゲームの時代から機関投資家(や個人投資家も)が行なってきた方法であり、現代でもアクティブファンドはほとんどが何らかの基準で銘柄を選定してタイミングを計って売り買いをしている。その成績の総和が市場平均であり、コストを引くと多くのアクティブファンドの成績は市場平均を下回ってしまう。アクティブファンドには手数料と税金以外にもう1つ大きなコスト要素がある。銘柄やタイミングを調べるためのリサーチのコストと、実際の売買を決めるファンドマネージャの給料のコストだ。ITシステムを作ったり優秀な人を雇うと結構なコストになるんだよ。

 

さらに加えると画期的な売買方法を誰かが見つけて実行し素晴らしい成績を出したとする。ところがその売買方法を特許にできるわけでもないので、誰もが真似し始めて、、、それが新たな市場平均になるんだよ orz。

 

こうやって考えると、市場平均を上回る成果を出し続けることが出来るような銘柄や売買のタイミングの手法を作ることはほとんど無理だよね、、、。これはプロであっても難しいんだけど個人投資家にとってはもはやジョークでしかない。つまりもはや株式市場は勝者のゲームでは無くなったんだよ、、、では市場参加者、特に我々個人投資家はどうしたら良いのだろうか。

 

というわけで「敗者のゲーム」の著者はこの株式市場を敗者のゲームと考えて、その前提でそこそこの成績を出す方法を考えたんだよ。その方法とは、、、答えを言ってしまえばインデックスファンドだよ。

 

次回は「インデックスファンド、最高!」という話を書こうと思う。